ファッションデザイナー『 GALA MARIJA VRBANIĆ(ガラ・マリヤ・ヴルバニッチ)』クロアチアから世界へ -最終話- / U-29クリエイターズファイル

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連載企画「U-29クリエイターズファイル」 -最終話- 

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若くして活躍するクリエイター達は何に影響を受け、これからどんな未来を見据えているのだろうかか。その真相とクリエイションの源泉に迫る。
 
今回ご紹介するのは、ファッションデザイナーのGALA MARIJA VRBANIĆ(ガラ・マリヤ・ヴルバニッチ) 。若干22歳にして自身のブランドPRICE ON REQUEST(プライス オン リクエスト)を創立。

デザイナーとして活動する傍ら、グラフィックデザインを勉強する大学生でもあるクロアチア出身、若干22歳の若きクリエイター。

幼い頃からクリエイティブな環境で育った彼女はファッションデザイナー、グラフィックデザイナーそしてフォトグラファーまでこなすマルチな才能を持つ。

常に新しいことに挑戦し続け、それを取り込み新たな創造へと繋げていく彼女の創作意欲はどこからやってくるのだろうか。
 

PRICE ON REQUEST(プライス オン リクエスト)
2016年デビューしたクロアチア発のファッションブランド。バックパックになるジャケットやスカートとにもなるワイドパンツなどユニセックスで着れる独特なデザインが特徴的。『この服のデザインにはどのくらいの価値があるのか』という疑問から明確な価格設定を設けず、購入者によるリクエストによってその商品の価値が決められるユニーク
なスタイルを採用している。

【instagram】 https://www.instagram.com/priceonrequest/
【Onlinstore】 http://priceonrequest.store/

 

ビッグコラボレーションによる幻影

私はハイストリートブランドやマスプロダクションにとても興味があります。

どうして人びとはハイストリートブランド×ラグジュアリーブランドのコラボレーションを買い続けるのでしょうか。

それは彼らがセレブリティーたちや有名人がそのコラボレーション商品を着た写真をSNSで見て(彼らは商品のプロモーションの為に着ている)、同じ商品を手にすることによって彼らと”同じ”である、ラグジュアリーブランドを”手に入れた”という優越感を得る手段として買い続けるのだと私は考えています。

それは間違いなく本物とは言い難い、”フェイク”であるにも関わらず、どうして多くの人びとがこのコラボレーションに夢中なのか理解できません。

多くの有名ブランドはコピー商品を販売するハイストリートブランドに対して頻繁にブランド商標権訴訟を起こしているにも関わらず、その後は彼らとコラボレーションを発表しています。

そして面白いことに、消費者はコラボレーション商品を買うためにお店の前で夜中から明け方まで路上でキャンプをし、その数時間後にはBALMANやKENZOのようなブランドを身に纏っています。

それはまるでホームレスから一瞬で、お金持ちへと変貌遂げたかのようです。

多くの消費者はそのコラボレーション商品を魅力的なデザインだから買ったと考えていると思いますが、その商品の品質の悪さやそれに見合わない価格、そして重要なオリジナルブランドの特徴を誤って表現していることが多い気がします。

特にクロアチアでは、自国デザイナーの服を買わないでH&MやZARAのようなハイストリートブランドを買い続けている消費者が増えているのは深刻な問題だと思います。
 

ハイストリートブランド

トレンディーな商品を低価格で大量生産するブランドの服を基本にしたスタイル。都市の中心部の大通り(ハイストリート)に大型店を構えて業績を伸ばしてきた製造小売業で、H&M、トップショップ、プリマーク、ザラなどが代表的だ。  出典:https://kotobank.jp

  

マスプロダクションへの反抗

KENZO X H&Mの発売初日にPRICE ON REQUESTによるインスタレーションを決行しました。

はじめは私たちも楽しみながら行っていたのですが、主催者側が私たちに気づいて怒りながら「一体誰が招待したんだ」と聞いてきました。

なぜかというとそこにいた記者の多くが、私たちのインスタレーションをKENZO X H&Mによるものだと勘違いして撮影し始めたからです。

会場にいた記者の人たちはこの大きなコラボレーションに対して関心がなかったのは明白です。

そのインスタレーションの翌日、”色とりどりなKENZO X H&Mによるコラボレーション”とへッドラインにPRICE ON REQUESTの服を着た私たちのモデルの写真がアップされていたんだから(笑)

このインスタレーションのために私たちが用意したLETVA。

この大きなコラボレーションに対抗すべく、木片に私たちブランドのロゴを入れたものです。長い時間かけて並んで、どうしてもその商品を手に入れたい人たちへのギフト(武器)ね。

皮肉にも、戦いに勝ち抜いて手に入れたH&Mの欠片(コラボ商品)は中国産の劣悪な労働環境の工場で作られ、低コストにも関わらずコラボレーションという名のネームバリューのおかげで本来のコストと比べて数倍の値段が付けられています。

どうしてもその欠片を手に入れるため、そして敵となる他の消費者と戦うための木片/武器/道具がLETVAっていうこと。KENZO X H&Mのパターンをプリントしたからこれがただの木片ってことにか気づきにくいかもしれないですね。

 

クロアチアから世界へ

出典:https://www.instagram.com/cwetekgmailcom/

私は将来的なゴールを設けていません。

ただ常にひとつひとつのことに対してベストを尽くすだけです。

そしてそのひとつひとつがどう発展していくか、楽しみにしています。

いまはファッションにすごく熱中していて、次のPRICE ON REQUESTのインスタレーションをどうするかってことを考えてばかりいます。

あと、私の好きなグラフィックデザインやいろんなものをMIXして新しいことにも挑戦していきたいですね!

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