世界に挑む。クリスチャンダダ 森川マサノリ氏のダダイズム -最終話-

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新連載企画「5W1HF」

既存の常識に囚われず、独自の視点と感性で、常識には囚われず、常に新しいものを作り続け、世界で活躍するクリエイターの深部に迫るこの企画。一人目は「クリスチャンダダ」のデザイナーであり代表でもある森川マサノリ氏だ。

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クリスチャンダダ 森川マサノリ

1984年3月生まれ。大阪の服飾専門学校卒業後上京し、東京のデザイン会社に就職。その後渡英し「CHARLES ANASTASE/シャルル アナスタス」にてアシスタントとして経験を積む。その後帰国し、2010年A/Wより「CHRISTIAN DADA/クリスチャンダダ」をスタート。11A/Wより単独ランウェイ形式にてコレクションを発表。2011年6月に行われたMTV AID JAPAN AWARDのレディ・ガガの衣装を手がけ、紅白インタビューの衣装としても使用される。11A/Wより東京コレクションにてコレクションを発表。2012年4月にはレディ・ガガ世界ツアーの衣装をアルマーニ以外でのデザイナーとして初選出される。2015SSからはパリコレクションを発表している。

 

DLeagueの傘下へ、パリコレ進出

D'Leagueは、高級時計の「Richard Mille」などのアジアでのブランドマネージメントやリテールを行っている企業です。

グループの運営しているセレクトショップに弊社の商品を卸していたこともあり、現会長から買収のお話をいただきました。

買収にあたってもちろん不安はあります。

実は他にも買収のオファーは何社かお話をいただいて、一年くらい全ての会社とお話させていただき、D’Leagueは自分のクリエイションを尊重してくれ、まるでファミリーのように考えてくれたのでグループの傘下になることを決めました。

経営面のサポートとデザインに集中できる環境が整っていくことが何より大きいと思います。

そして2015S/Sからパリコレに参加することになりました。

だいたいパリコレションで発表するブランドというのは日本で10年ぐらい経験を積んでからだったり、

パリ・クチュール組合(サンディカ)に認められるために事前に緻密にやりとりを繰り返したり、最初は展示会からはじめたりと、時間をかけて進出します。

ただダダの場合は展示会もせず、交流をしたわけでもなく、右も左も分からないままいきなりパリでショーを行いました。

日本の場合は、人にたくさん来てもらうというのが良いとされたり、ショーもだいたいブランドを知っててくれてる人がきてくれるし、ジャーナリストからも特に辛辣な記事は書かれない。

正直コレクションを発表することに、ハードルが低いと感じるようになっていたのもあります。

 

パリコレに参加する意味

パリコレに出るのは、マーケットの拡大やブランド価値向上などブランドを大きくしていこうというのも当然なのですが、僕みたいな若輩者がパリでベテラン達と混じってやったりしてる事で希望や道しるべをもっと作りたいなっていうのがあります。

僕が当時ファッション業界に憧れ、デザイナー目指した頃って、アンダーカバーの高橋さんやコムデギャルソンの川久保さんなどの日本人デザイナーが世界で活躍しました。

それを見てデザイナーになりたいって人がたくさんいて、ファッション業界やデザイナーという職業に憧れをいだいていたんです。

だけど、今はファストファッションなど新しいファッションの形も生まれて、デザイナーという職業がどんなものなのかも知らない人も多ければネガティブなイメージもあり、ファッション業界に進む人自体が減って来ている。

なので、僕が当時憧れていた人達のように、次は僕がパリという場所で見せ続ける事でもう一回デザイナーという職業を誰もが憧れ、目指したいと思う職業に戻したいなという想いがあります。

 

 

今後のクリスチャンダダ

いまのファッション業界は時代の移り変わりが早すぎて、常に新しい形を求められるような気がしていて。

時代に臨機応変に対応できる柔軟性が大事だと思っているので、僕たちは明確な目標はあえて作っていません。

色んな事に挑戦したいし、目標が一つというのもおもしろくないじゃないですか。

でも、その中でも自分たちのやり方を確立していく必要はあると思っています。「クリスチャンダダってこうだよね」って思える道を。

ブランドってやっぱり続けることに意味があって。

僕らはまだ企業して6年ですが、先輩達もは10年20年と続けている。それって本当に凄い事で。

最近は青山やシンガポールに直営店も出しましたが、これからも積極的にリテールビジネスを展開していきたいですね。

日本では今以上に直営店の出店はあまり考えていませんが、海外ではもっと広げて行きたいなと思っています。ブランドのポジショニングや売上にも応じて、しっかり展開していければと。

今後も焦らず、ダダらしい道を追求していきたいなと思います。


 

ビジネスとクリエーションの両立は難しい。個性や独自の価値観、世の中にない新しいものを追求すればするほど、クリエイションのレベルは上がるが、それはニッチになりどうしてもビジネスの面で不利になるのではないか。また、ビジネスの面を追求すると、どうしても保守的になりクリエイションの質が落ちるのではないか。私にはそういった先入観があった。しかし、デザイナーでもあり、経営者でもある森川氏のお話をお伺いさせて頂き、彼の話すビジョンにはクリエイション、デザインの話から、今後の店舗展開やリテールの話まで、終始クリエイションとビジネスのバランスが保たれているように感じた。それは決してクリエイションもビジネスも疎かにしているわけではなく、自身の創り出すクリエイションをしっかりビジネスに落とし込むまでを考えている。服だけでなくビジネスまでをクリエイションしているのだ。本物にクリエイターを前に、私の先入観などくだらないし、ちっぽけなように感じた。世界でも注目を集めているクリスチャン ダダと森川氏の今後のさらなる躍進に期待したい。

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「クリスチャンダダ」直近のイベントスケジュール

■HELLO KITTY MEN x WWD x SEIBU SOGO 

西武渋谷10月18日(火)ー 31日(月)
A館1階=プロモーションスペース、B館4階=メンズクリエーター売り場
そごう横浜店11月18日(火)ー 21日(月)
5階=紳士用品雑貨売り場
https://www.sogo-seibu.jp/hellokittymen/

 

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